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朝7時。前日の夕方は雨がぱらついていたのに、起きてみるとすっかり晴れていた。宿(Hotel Meisser)のテラスから見下ろす谷はまだ少し

Day 4 · 2012.09.11

グアルダ(Guarda)の朝

朝7時。前日の夕方は雨がぱらついていたのに、起きてみるとすっかり晴れていた。宿(Hotel Meisser)のテラスから見下ろす谷はまだ少し霞んでいて、朝の空気がひんやりと気持ちいい。まだ誰もいないテラスのパラソルは、すべて畳まれたまま。この時間から起きて散歩する人は少ないようで、村は静かだった。まずは一枚。

4日目。昨晩泊まった壁絵の村グアルダ(Guarda)から一日が始まる。今日はこのグアルダの朝の散策のあと、列車を乗り継いでダヴォス(Davos)の奥にあるSertig谷まで足を延ばし、夜はゴッタルド峠の麓の町アンダーマット(Andermatt)まで移動する、という長い一日の予定。移動が多い日なので、まずは朝いちばんのグアルダの村歩きから。

今日の主な行程:
グアルダ散策 → Klosters → Davos → Sertig, Sand(Sertig谷を散策)→ Davos → Landquart → Chur → Disentis/Mustér → Andermatt泊

※写っている人物の顔は、プライバシー保護のためキャラクターに置き換えています(夫・妻それぞれ固定のキャラ)。背景・風景はそのままです。

朝食まで少し時間があったので、宿の周りを散歩することにした。これがお世話になったHotel Meisser。木をふんだんに使った造りで、黄色
朝食まで少し時間があったので、宿の周りを散歩することにした。これがお世話になったHotel Meisser。木をふんだんに使った造りで、黄色い壁にはうっすらと装飾が描かれている。朝日を浴びると、より上品に見えた。
村の中を歩く。どの家も入口が立派で、これは36番の家。アーチ型の大きな木の扉の両脇に、青い小さな花(ロベリア)が咲いていた。妻に立ってもらっ
村の中を歩く。どの家も入口が立派で、これは36番の家。アーチ型の大きな木の扉の両脇に、青い小さな花(ロベリア)が咲いていた。妻に立ってもらって大きさ比較。扉が大きくて、いかにも重そう。
歩いていると、黄色と黒の三角模様が並んだ、ひときわ派手な壁の家があった。妻が見上げているのがそれ。奥にはさっき通ったHotel Meisse
歩いていると、黄色と黒の三角模様が並んだ、ひときわ派手な壁の家があった。妻が見上げているのがそれ。奥にはさっき通ったHotel Meisserのある通りも見える。スグラフィートは唐草模様だけでなく、こういう大胆な幾何学模様もあるらしい。
村の一角にあった陶芸工房のショーウィンドウ。ヤギやアイベックス(野生の山羊)、鶏をかたどった素朴な焼き物が並ぶ。この辺りに暮らす動物たちが、
村の一角にあった陶芸工房のショーウィンドウ。ヤギやアイベックス(野生の山羊)、鶏をかたどった素朴な焼き物が並ぶ。この辺りに暮らす動物たちが、そのままモチーフになっているみたいだ。カップやティーポットも味があって、思わず見入ってしまった。
こちらは2000年に改修されたという家の、立派なアーチ扉。上の丸い飾りには、紋章のようなレリーフがはめ込まれている。壁には『abitaziu
こちらは2000年に改修されたという家の、立派なアーチ扉。上の丸い飾りには、紋章のようなレリーフがはめ込まれている。壁には『abitaziun da vacanzas(休暇用の住まい)』の札があるので、今は貸別荘になっているみたい。妻が重そうなノッカーを鳴らす真似をして、おどけている。
グアルダの家の壁は、塗った漆喰を引っ掻いて下地の色を出す「スグラフィート(sgraffito)」という技法で飾られている。ピンクの家に白い唐
グアルダの家の壁は、塗った漆喰を引っ掻いて下地の色を出す「スグラフィート(sgraffito)」という技法で飾られている。ピンクの家に白い唐草模様が浮かび上がっていてきれい。そして窓辺には、必ずと言っていいほど赤いゼラニウムの花が飾られている。
ピンクとクリーム色の大きな家が並ぶ一角。左の家の白い縁取りと、壁いっぱいのスグラフィートが特にきれいだった。扉の前に立ってみると、家の大きさ
ピンクとクリーム色の大きな家が並ぶ一角。左の家の白い縁取りと、壁いっぱいのスグラフィートが特にきれいだった。扉の前に立ってみると、家の大きさがよく分かる。
村で一番目立っていたのがこのHotel Piz Buin。窓という窓に赤いゼラニウムが飾られ、手描きのカラフルな看板もかわいい。バルコニーに
村で一番目立っていたのがこのHotel Piz Buin。窓という窓に赤いゼラニウムが飾られ、手描きのカラフルな看板もかわいい。バルコニーにはスイス国旗と、グラウビュンデン州、そしてグアルダの旗(黒い雄鶏)がはためいていた。朝早くから、宿泊客が出発の準備をしていた。
壁一面に銀色の唐草模様が彫り込まれた家。よく見ると玄関の上に文字が書かれていて、『DA TUOT QUELS CHI PASSAN, CHI
壁一面に銀色の唐草模様が彫り込まれた家。よく見ると玄関の上に文字が書かれていて、『DA TUOT QUELS CHI PASSAN, CHI EST TÜ?』とある。この地方の言葉ロマンシュ語で、「ここを通り過ぎるすべての人よ、あなたは誰?」といった意味だそう。スグラフィートは模様だけでなく、こうした問いかけや格言が添えられていることも多い。
グアルダは、谷の斜面の一段高い「棚」のような場所にある小さな村。少し坂を下ると、こんなふうに朝日が谷の奥から昇ってくるのが見える。眼下に広が
グアルダは、谷の斜面の一段高い「棚」のような場所にある小さな村。少し坂を下ると、こんなふうに朝日が谷の奥から昇ってくるのが見える。眼下に広がる緑の谷が下エンガディン地方(Unterengadin)。空気が澄んでいて、遠くの山の稜線までくっきり見えた。
小さな広場には、たいてい水飲み場(泉)がある。冷たい水が絶えず流れていて、そのまま飲むこともできる。石畳と緑の鎧戸(よろいど)の家に囲まれて
小さな広場には、たいてい水飲み場(泉)がある。冷たい水が絶えず流れていて、そのまま飲むこともできる。石畳と緑の鎧戸(よろいど)の家に囲まれて座っていると、絵本の中に迷い込んだような気分になった。奥には日時計の付いた家も見える。
村のはずれまで来ると視界がひらけて、牧草地がゆるやかに広がっていた。斜面はきれいに段々(テラス)状になっていて、その上に森と、朝もやのかかっ
村のはずれまで来ると視界がひらけて、牧草地がゆるやかに広がっていた。斜面はきれいに段々(テラス)状になっていて、その上に森と、朝もやのかかったアルプスの山並み。木の柵越しに、澄んだ朝の空気を楽しむ。
壁の装飾をアップで。月桂樹の輪の中に、十字架、アイベックス、そして槍を持った赤い服の人物。アイベックスはグラウビュンデン州の紋章にもなってい
壁の装飾をアップで。月桂樹の輪の中に、十字架、アイベックス、そして槍を持った赤い服の人物。アイベックスはグラウビュンデン州の紋章にもなっている動物だ。右側の帯状の模様まで、すべて引っ掻きで描かれていて、とにかく手が込んでいる。
こちらの家の角にも、びっしりと花の唐草模様。細い石畳の小路の先には、パステルカラーの家並みが続いている。どこを切り取っても絵になる村で、なか
こちらの家の角にも、びっしりと花の唐草模様。細い石畳の小路の先には、パステルカラーの家並みが続いている。どこを切り取っても絵になる村で、なかなか前に進まない。
あらためて、泊まったHotel Meisserの全景。看板には「1893」の文字。120年前の建物とは思えないほど手入れが行き届いていて、外
あらためて、泊まったHotel Meisserの全景。看板には「1893」の文字。120年前の建物とは思えないほど手入れが行き届いていて、外壁の絵もきれいに残っている。
スイスらしい黄色いハイキングの道標。グアルダは「Via Engiadina」というエンガディンの長距離ハイキング道の途中にもなっていて、隣村
スイスらしい黄色いハイキングの道標。グアルダは「Via Engiadina」というエンガディンの長距離ハイキング道の途中にもなっていて、隣村のArdezまで40分、といった案内が並ぶ。麓のグアルダ駅(Guarda Staziun)までは、歩くと30分ほどらしい。
案内板には、この下エンガディン地方の村々の紋章が並んでいた。上段の左から3番目、黒い雄鶏がグアルダの紋章。ほかにも牛(Ftan)、鍵(Sen
案内板には、この下エンガディン地方の村々の紋章が並んでいた。上段の左から3番目、黒い雄鶏がグアルダの紋章。ほかにも牛(Ftan)、鍵(Sent)、噴水(Scuol)など、村ごとに個性があって、眺めているだけで面白い。
ある民家の柵の上では、青いビキニ姿のふくよかな女性のテラコッタ像が、こちらに手を振っていた。真面目な壁絵ばかりの村かと思いきや、こういう茶目
ある民家の柵の上では、青いビキニ姿のふくよかな女性のテラコッタ像が、こちらに手を振っていた。真面目な壁絵ばかりの村かと思いきや、こういう茶目っ気たっぷりの置物もあって、思わず笑ってしまった。
ひと通り散歩したところで宿に戻り、朝食。ハム、サラミ、数種類のチーズ、ゆで卵、それに焼きたてのクロワッサンとトースト。シンプルだけれど、ひと
ひと通り散歩したところで宿に戻り、朝食。ハム、サラミ、数種類のチーズ、ゆで卵、それに焼きたてのクロワッサンとトースト。シンプルだけれど、ひとつひとつの素材が良くて美味しい。コーヒーもたっぷり。
朝食は、木の内装が美しいダイニングで。パンやチーズはビュッフェ形式で並べられていて、野の花を生けた籠が可愛らしい。窓から朝の光がやわらかく差
朝食は、木の内装が美しいダイニングで。パンやチーズはビュッフェ形式で並べられていて、野の花を生けた籠が可愛らしい。窓から朝の光がやわらかく差し込んで、とても気持ちのいい朝ごはんだった。
食後、チェックアウトまでの時間でもう一度村を歩く。日が高くなって、壁絵と赤い花のコントラストがさらにはっきりしてきた。石畳の坂道の先にも、同
食後、チェックアウトまでの時間でもう一度村を歩く。日が高くなって、壁絵と赤い花のコントラストがさらにはっきりしてきた。石畳の坂道の先にも、同じように装飾された家が続いている。何度でも歩きたくなる村だった。
名残惜しいけれど、そろそろグアルダを出発。破風(はふ)に「GUARDA」と大きく書かれた家に見送られるようにして、村を後にした。
名残惜しいけれど、そろそろグアルダを出発。破風(はふ)に「GUARDA」と大きく書かれた家に見送られるようにして、村を後にした。
村は高台にあるので、鉄道の駅(Guarda駅)は谷底までぐっと下ったところにある。坂を下って、ここからレーティッシュ鉄道に乗り、Kloste
村は高台にあるので、鉄道の駅(Guarda駅)は谷底までぐっと下ったところにある。坂を下って、ここからレーティッシュ鉄道に乗り、Klosters方面へ。次は、ダヴォスのさらに奥にあるSertig谷を目指す。